幸運の神・ステジェルネ。
それは幸運をもたらす神とされていた。
起源は数百年前に遡る。
いつからか幸運を司る神として祀られていたが、
それに意志はなく、ご利益もほとんどなかった。
全ては偶然だった。
必然として、信仰は廃れていき、
いくつかの書物にのみ名前が残る神となった。
ステラボードにやってきたのは、偶然か、
もしくは神とされてきたそれの最後の意志か。
神として祀られてからこそ生を受けたが、
神としての生など受けたくなかった。
勝手に期待して、勝手に裏切った扱いされるのはもう嫌だ！
しかし、神はかけがえのない人を見つけた。
もう信仰もいらない。
彼女がいなくなったら、信仰の途絶えたステジェルネもいなくなるだろうが、
ステジェルネはそれでも幸せだ。
神は、ただもたらすことのできる僅かなご利益を全て彼女に使うだろう。